建築計画は、お客様の具体的ご要望の一つ「屋外土間と室内土間の連続が欲しい」から派生していきました。お客様が長い年月をかけて大切に収集してきたアンティークな物達のサイズと空間バランスを調整し、それにつながる各空間を計画。弊社が常に意識する“家の奥に入れば入るほどワクワクする空間づくり”。ご要望と弊社の作る建築のバランス調整を繰り返し建築計画をまとめていきました。土間スペースを通り過ぎると、大きなブックコーナーがあります。高い場所の本をとる時に使用する木製脚立、天井からぶら下がる分銅型ペンダント照明、屋外の垂直方向にのびる樹木達。その存在が本棚コーナーの空間デザインを決めています。さらに奥に行くと、半地下のボウルとその上に設けた子供部屋。子供部屋の廊下から、登り綱・ボルダリングでボウルに降りる事ができるアクティビィティーゾーン。家に入った瞬間の洗練されたアンティークアート空間からは想像できない、ブックコーナーとアクティビィティー空間が誕生しました。外観デザインは、屋外土間を中心にシンプルな軒の深い外観としました。

42340 01 07
森のトンネルを抜け坂道を登ると、ひっそりとたたずむ家へ。周囲と調和するアースカラーの漆喰外壁が迎えてくれます。
IMG 4222
植栽がほどこされた、アプローチの石畳。
IMG 4223
片流れ屋根とのバランスを考慮した植栽計画。
IMG 4226
植栽をぬけ屋外土間空間へ。
42340 01 02
屋外屋根付きの広い土間が室内の土間空間と一体的に利用できます。軒を低くをおさえています。
IMG 4230
屋外土間と玄関。
42340 01 05
両引き分けの木製引き戸をあけると、屋外土間と室内土間がつながります。 土間 屋外からの眺め。
42340 01 10
両引き分けの木製引き戸をあけると、屋外土間と室内土間がつながります。 土間 室内からの眺め。
41110 01 08
室内土間空間。天井に施した木製ルーバーが柔らかい空間を演出し、アンティーク家具との調和を担っています。
41110 01 14
小上がりとなっている板の間。
IMG 8563
引き戸を閉めると、独立した部屋とする事もできます。ゲストルームとして使用可能です。
IMG 0073
板の間。シアタールームも兼ねています。
41110 01 15
室内土間。冬のひととき。室内土間と屋外土間の引き戸を閉め暖をとる。屋外の景色と薪ストーブの炎を感じながら暖かい飲み物を楽しむひとときは最高です。
41110 01 03
薪ストーブが生活の中心に。オーブン付きの薪ストーブは、キッチンツールにもなります。
41110 01 05
キッチンのアイランドテーブル ご家族で調理を楽しみます。
41110 01 24
アンティーク家具との調和を目指した造作キッチン。キッチンの天板と壁はモールテックスを使用し、柔らかい印象と共にアンティーク家具との調和を目指しました。引き出しには北海道産ナラ材を使用し、オスモウォールナット塗装を施しました。
41110 01 11
室内土間につながる。図書コーナー。
IMG 4202
図書コーナー 細長い窓〜樹木を下から上まで眺められる様に。
IMG 8531
図書コーナー。アンティーク照明と家具が調和した読書スペース。
IMG 8336
図書コーナー。隠し部屋の書斎。
41110 01 19
階段室。アクティビティコーナーとしても利用可能。
41110 01 17 1
半地下スペースには、スケートボードを楽しめるボウルをもうけました。
IMG 7523
スケートボード ボウル スペースには雲梯。ボルダリング。さまざまなアクティビティ。
41110 01 16
大谷石で仕上げた浴室。バスタブからは樽前山を望む事ができます。
IMG 9896
大谷石で仕上げた洗面台。アンティーク医療家具にはタオルや髭剃りのアメニティーグッズを収納。

竣工:2020年
掲載:Replan北海道 Vol.132
撮影:古瀬 桂

設計:合同会社 永田大建築設計事務所
施工:株式会社 若原建築工業

2018年7月 長年良いお付き合いをさせていただいているクライアント様のご紹介でM様と顔合わせをしました。様々お話を伺い、早速、敷地を見に行きました。その土地が、とにかく凄い場所でした。

山の上に住みたい。

M様は、この夢を実現するため、山の所有者を探しはじめました。山は、なぜか細かく分筆されていました。昭和〜平成に元号が変わる時、日本はバブル絶頂期でした。このバブルの時に、原野商法で切り売りされた土地だと思われます。M様は一つ一つの土地所有者を探す行動を、地道に続けられました。購入した土地の数は、30近く・・すごい数です。山の上の土地を購入できても、そこまで行く道となる土地がなければ家を建てる事はできません。最後に購入した土地が、道路となる部分でした。

初めてご自宅へ伺った時、“いつか家をつくる時のために”と収集していたアンティーク品をご紹介頂きました。数々のこだわりの物達。一つ一つに思い入れがあり、それぞれの出会いと思い出のお話を沢山うかがいました。

これらに合う建築。

これが一番のご希望でした。建築を作る前から、使用する照明、タオル掛け、ベル、ダイニングテーブル、椅子、スイッチプレート、家具は決まっていました。古い雰囲気のものにあう内装イメージを膨らませていきました。間取りが決まり、取り付け場所を一つ一つ決めていく打ち合せは細部まで検討を繰り返しました。そして、実際に取り付けをする時は、全て立ち会って頂きなかがら、取り付け場所のバランスを調整しました。https://www.masarunagata.jp/bl...

<その他ご要望>

・薄暗い家
・内部と外部の土間続きリビングスペース
・地下のスケボーボウルスペース
・プロジェクタースペース
・本達の居場所
・隠れ家の様な書斎
・お風呂には大谷石を使用
・調理できる薪ストーブ

アンティークな物達を主役にする家づくりに、ボウルスペースの存在感をおさえつつ、永田大建築設計事務所が常に意識する、家族のつながりを感じられる空間づくりを模索していきました。建築計画は、お客様の具体的ご要望の一つ「屋外土間と内部土間の連続」から派生していきました。お客様が長い年月をかけて大切に収集してきたアンティークな物達のサイズと空間バランスを調整し、それにつながる各空間を計画。弊社が常に意識する“家の奥に入れば入るほどワクワクする空間づくり”。ご要望と弊社の作る建築のバランス調整を繰り返し建築計画をまとめていきました。土間スペースを通り過ぎると、大きなブックコーナーがあります。高い場所の本をとる時に使用する木製脚立、天井からぶら下がる分銅型ペンダント照明、屋外の垂直方向にのびる樹木達。その存在が本棚コーナーの空間デザインを決めています。さらに奥に行くと、半地下のボウルとその上に設けた子供部屋。子供部屋の廊下から、登り綱・ボルダリングでボウルに降りる事ができるアクティビィティーゾーン。家に入った瞬間の洗練されたアンティークアート空間からは想像できない、ブックコーナーとアクティビィティー空間が誕生しました。外観デザインは、屋外土間を中心にシンプルな軒の深い外観としました。

永田大建築設計事務所の家造りは、お客様のライフスタイル、趣味、ご要望、ご予算を丁寧にヒアリングし、敷地の特性とヒアリング情報を元に建築士として私の感性のフィルターを通し、初回建築計画を数案ご提案します。ご提案した建築計画に対する率直なご意見をヒアリングをします。そして、再考し、最善のデザインをご提案します。この工程を繰り返し実施していきます。

お客様が話しやすい雰囲気を作り、率直なご意見を引き出せる様に配慮し、頂いた内容から専門家としてバランスをとり提案を繰り返します。専門家としてバランスを取るとは?お客様の言う通り作る事ではなく、デザインバランス、コストバランスをしっかりと整えながら建築計画をまとめること。多くのコミュニケーションを丁寧に繰り返し、そのコミュニケーションの集合と永田大建築設計事務所の感性の融合が、個性豊かな唯一無二の家づくりへと昇華していきます。