2015年 02月 06日

今日はじめてブログをご覧になった人のために。

"家造りstory"とは?

私の自宅(作品集 唐松)をつくった時に考えた事や行った事を物語形式でご紹介しています。 自宅建築の時、私が設計〜工事竣工までを日記に記録(キロク)していました。 その記録(キロク)をベースに少し手を加え公開しています。 過去の記憶(キオク)を思い出しながら更新しているのとは異なります。つまり、リアルタイムで当時考えていた事が公開されています。カテゴリ…旅行記…に て過去の"家造りstory"ブログをご覧頂く事が可能となっています。 楽しんで頂けると嬉しいです。もし感想などありましたら、コメント欄はありませんので メール頂けると嬉しいです。[email protected]

それでは、"家造りstory"お楽しみください。

[遣り方]

2010年5月5日撮影



敷地中央から西側の唐松を眺めた風景、大きな唐松が素敵です。父の友人の画家、名木野 修氏が描く唐松(防風林)を少年時代に見た感動が今目の前にあります。彼の描く唐松はとても静かで力強かった事を思い出します。この風景を見た瞬間「唐松」のとりこになりました。彼が描く絵画が私の実家に今でも飾られています。私の家にあるのは、牛舎と一本の大きな木の夏の絵です。

どんな牛舎なんだろう?
どんな牛がいるんだろう?
木の下は気持ちが良いだろうな。

と、色々想像したのを思い出します。

2010年5月5日撮影

東側の風景、空き地になっています。

2011年7月18日



工事が始まりました。最初に行われたのは遣り方です。遣り方とは建物の高さや位置の基準を示すものです。建物の外形がピンク色のススズランテープで型とられた時、少し大きく感じました。妻は小さく感じたらしいですが・・約1年間何度も繰り返し行ったマイホームプランですので、場所ごとに映像が浮かんできます。そして、そこに造られる窓から見える景色を創造するとワクワクがとまりません。


〜以下余談です〜

2010年5月の段階で、まだ空き地だった隣地はあっという間に建築が終わり住宅が建ちました。私より土地購入が後なのにあっと言う間に住宅が完成してしまいます。

ここに永田大建築設計事務所と一般的な工務店やハウスメーカーの家造りと大きな差があります。

永田大建築設計事務所との家造りは、時間がかかります。通常は、設計から入居まで1年程かかります。クライント様のご要望で、3ヶ月や6ヶ月で入居したいと言う方も中にはいますので、その時の弊社が抱えている物件状況により、全てのクライント様の事を考慮して、短期スケジュールの仕事を受けれるかどうかを十分に検討し受託します。ご迷惑をおかけする場合は、大変心苦しいのですが断りさせて頂いています。

何故時間がかかるのか?

私の頭の中や行動を少し文章で表現します。

土地に何度も足を運び土地の性格を読み窓はどの位置が正しいのか?この建築で本当に良いのか?クライント様のご要望はかなっているのか?コンセントの位置・高さ、目立たない位置にコンセントやスイッチは設置したいな・・換気扇が目に入るな・・プラスチックは使いたくないな・・塗り壁のどこの産地が良いかな・・質感はどうしようかな・・この質感に負けない床は何かな・・カウンターの高さはこれで良いかな?10mm高いな・・体にあっているかな・・高くする事で視線の邪魔にならないかな・・外壁材は何を使うかな・・・普通でない方が良いな・・・自分で設計した内容に何度も駄目出しをし、アイデアを思いつく度にクライント様と熱く語り合う・・・クライント様が既に納得してゴーサインを出しているにもかかわらず、もっと良い方法が見つかったら黙ってられない・・・今この瞬間、この一言を言わなければ楽になるのに・・・最善と思える内容を伝えなければならない・・・変更しないと10年後、20年後にクライント様が後悔する・・・壁を100mmずらすだけで快適になる。時には5mmの世界を悩んで一本の線を引くのに一日を費やして・・・変更した内容の度に、構造図、設備図、意匠図・・50枚近くになる図面を全て見なおして変更箇所を訂正して・・・翌朝起きて再度冷静に図面を眺めると、また別の方法を思いつく・・・この繰り替えしで一つの住宅を作り上げていく・・・



拘ったクライント様であれば、この過程は大変だけど楽しい!
と感じる方がほとんどです。

物造りが好き
ファッションが好き
カッコ良い物が好き
好きなものに囲まれて生活したい
アートが好き
機械いじりが好き
買い物する時はとことん調べる
質を大切にする
金額から仕様まで細部まで知りたい
そして、完成した建築デザインの拘りを語りたい人

そんな人にオススメです。

永田さんは次はどんな提案をしてくるのだろう?
沢山の熱い打合せを繰り返すたびに、クライアント様との距離は縮まり、クライント様も遠慮がなくなる。
ここからが住宅建築が楽しくなる瞬間。クラント様とフラットにディスカッションを繰り返します。
自分の友達以上に話をします。引き渡した後でも、10年来の親友の様に話題がとまりません。


日常生活では考えられない数千万と言う大きな買い物。


これくらい、熱く楽しんでも良いのでは?


すいません。長くなりました。これぐらい熱い思いで家造りしています。

※追伸
工務店さんやハウスメーカーさんの様に、設計打合せして1ヶ月後に工事がはじまり、4ヶ月後には入居と言うのも間違いではありません。入居のスケジュールもたてやすく、ストレスも少くない家造りになる事でしょう。この様な家造りを求めている方はいます。