2022年 02月 23日

2020年11月にお電話でお問い合わせを頂きました。現在、東京在住で東京にお店を構えて服屋をしています。生まれ故郷の北海道に移住し、住宅とお店を作ろうと計画しています。既に長沼に土地を所有しています。との事でした。直ぐに土地確認に訪問しました。周囲を緑に囲われた最高のロケーションです。土地は平でとにかく広い。直ぐにご要望のヒアリングを行い建築計画をはじめました。ご主人は、スキーに特化した服のデザイナー、奥様はジュエリーデザイナーという、クリエイターご夫婦でした。

建築計画

永田大建築設計事務所がご提案したプランは4つです。

住宅と店舗の間に中庭をつくる計画案PLAN1、PLAN2。PLAN1を再構築しできた案がPLAN2石畳の通路がアプローチ〜店舗〜住宅と通り抜けるのは気持ち良いだろうと想像し計画しました。PLAN3は、ブランドイメージを建築に反映し、シンプルかつ大胆にスキーのボーゲンを意識した建築計画。PLAN4はアウトソーシング協力スタッフが作成したPLAN。大屋根が特徴のスキーロッジの様な建築計画。

建築計画2

この4つの建築計画は実現できませんでした。基本となる間取りアイデアは、クリエイターのお二人が、たたき台となる間取りを考えてこられ、その案をベースにディスカッションを繰り返し、私は昇華した建築計画をご提案する事を意識し、建築計画を整理していきました。建築には色々な答えがあります。正解は一つではありません。無数にある選択肢の中から軸を決め、軸に多くの枝を張り巡らせる事で、一つの形になります。樹木のように。

初回プレゼンの後、ご主人がお話した言葉を今でも覚えています。「永田さん大丈夫ですか?ウェブで検索すると沢山の建築家がでてきますよ。」20年建築を続けていますが、初めての言葉でした。その時、私は何を語ったのか、突然の言葉に“ハッ”とし思いつくまま気持ちを言葉にのせ答えました。。

クリエイターのお二人が軸となる建築家に弊社をご選択頂いた事に最大限の経緯を払います。

外観

外観は、三角屋根や、片流れ屋根、フラット屋根を検討しました。敷地周囲が一定高さの樹木に囲われた敷地。樹木の水平ラインに建築を協調させる事が良いと考え、フラット屋根となりました。出来上がった建築を見ても水平ラインが協調されるフラット屋根が最善だったと感じています。

内観

内観は、ほぼ平屋建築ですが、小屋裏の様な2階も欲しいとの事で、高すぎない吹抜け空間をつくりました。吹抜け空間の上部にハイサイドライトを設け、北側(北東面)の窓から入る穏やかな光、ミニマムなスケール感が心地よい空間としました。出来上がった建築を見ても、高すぎない程よい良いスケール感を実現できたと実感しております。

素材

素材選定は、お二人が希望する内装イメージから、屋根垂木を表しにし、ログハウスの様な木々しい建築にならない様に、木材露出面積や素材選定を慎重におこない、全体のバランスを整えていきました。本漆喰、EP塗装、ナラ材、白の建具、タイル、モルタルを採用。


共同設計

毎回の打合せは4〜5時間ほど、クリエイター同士のディスカッション。議論が白熱し、あっという間に打合せが終わります。そして、多くの共感がモチベーションを高めていきました。2021年の1月頃から本格的に設計活動がはじまり、着工までの約6ヶ月間、調整を繰り返しました。私がいつも行っている、永田大建築設計事務所が主導する設計とは違いクリエイターお二人の感性を受け止め尊重し、私は設計士としてアイデアをまとめ、更に良くなるよう私のオリジナリティを加えながら、アイデアを昇華しご提案。この繰り返しで設計図書をまとめていきました。また、風水の考えから導き出される、玄関・水回り位置、太陽の入り方、人の出入り、建築士としての経験値から導き出される解決方法と、判断のよりどころが違っている事により、永田大建築設計事務所が普段設計している印象と異なっている部分が多くある事が感じ取れます。3名のクリエイターの感性がフュージョンした結果、建築が磨き上げられた事を実感しております。クライント様のおかげで、新しい感性が芽生えた感覚です。私の脳だけでは、達成できなかった建築デザインとなりました。この建築は、3人のクリエイターの共同設計と私は考えております。